新規システム始動準備完了2006年11月10日 12時41分16秒

さて、プロジェクトもいよいよ船出を迎える。 万端な準備を重ねていても、規模の大きなプロジェクトになればなるほど予期しない障害が起こるものだ。

だからと言って、全ての事態に備えることも出来ないし、備える必要もない。全ての事態に備えようと、想定している時点で、何らかの何らかの前提が入り込み、備えたつもりでいても結局指の間からこぼれ落ちていくものだ。

むしろ、大型のプロジェクトになればなるほど、何らかの障害があるのを前提に設計する。そして、障害の度合を検証し、諦めるべき障害と復旧するべき障害を分ける。

対処不可能な障害は諦め、復旧可能な障害は早急に復旧できるように準備する。例えば停電に対する対処である。真夏の 2003 年 8 月 14 日 16 時に New York で大停電があった。東京でも 2006 年 8 月 14 日 7 時に大停電があったばかりだ。停電時の為に全てのシステムを動かせるバッテリが一時間分ある。そして、丸一日運用できるだけの自家発電設備がある。しかし、それ以上の電力の蓄えは無い。違った見方をしよう。機械だけが一日以上動いたとしても、都市に電力が無い状態が一日以上続けば、人間に支障が出て運用どころでは無いだろう。

また、問題を突き詰めるための準備も怠ってはならない。例えば、最も障害の可能性の多い時間帯や作業などを絞り込み、そこに人員を割くのも、問題が起きた時の為の対処である。他にも、実運用前に旧システムと並列運転して、初期不良のあぶり出しを図るなどの対策を取る。

いくつかあった初期不良も修正された。さて、今回の運用開始はどうなるのであろうか。最悪の事態に備えて、旧システムへの切替えなども準備されているが、それだけは避けたいところだ。

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