VOS について思うところ2010年07月11日 04時59分35秒

前職では VOS を主体として開発していた。運よく次の仕事も見付かり、なんとか順調にやっている。恐らく、VOS にお目にかかることも当分はないだろう。

何だかんだ言っても所詮は計算機。目的に沿った API を正しく使えば正確に動く。問題は API が POSIX では無いこと。ここ十年来は OpenVOS として POSIX 準拠の API も力が入っていたが、所詮は付け焼き刃。性能を引き出す上では専用 API にはまったく及ばない。しかし、色々と癖があり、慣れてくるまでにそれなりに時間がかかる。

開発環境としては、スクリプト言語なども含めて貧相でかなり手間のかかる環境だった。OpenVOS で bash スクリプトが使えるようになるまでは、VOS コマンドマクロという、bourne シェルにすら大きく劣るスクリプト言語しかなかった。長い間、変数と if、else、goto が主な武器で、ブロックの do が出てくるのは二十 一世紀に入ってからだ。その為、長い間 if の後は goto がほぼ定型になっていた。

この VOS を専門にする人達は VOS について様々なことをよく知っている。UNIX には無い、システムや各種サブシステムを検査、実験するツールがたくさん存在する。これらを上手に使うことが VOS 上で未経験の部分の開発に大きい影響を与える。これらのツールの中には、コマンドラインから直接全てのシステムコールを叩ける物まである。逆にこのシステム以外の事を知らないのが欠点だ。

普通にお目にかかる機会のない事もあり、個人的には色々と楽しむことも出来た。元々は UNIX 使いだが、この変わったシステムも色々と使い込んだ。特に OpenVOS が出てきてからは UNIX と VOS の合わせ技で、前職では開発陣と開発環境を色々といじって楽しんだものだ。